第三考・X線

X線(エックスせん、英:X-ray)とは、波長が1pm-10nm程度の電磁波の事を言う。発見者であるヴィルヘルム・レントゲンの名をとって、レントゲン線と呼ばれることもある。放射線の一種である。X線撮影、回折現象を利用した結晶構造の解析などに用いられる。──Wikipediaより

思い返してみれば、自分は病気がちな子供だったように思う。

古い記憶を辿ると、大抵真っ先に思い出されるのは病院にまつわる記憶だ。

 

ここで暴露すべきではない為詳しくは語らないが、今は何ともない。

自分は健康体そのものである。

 

やはり小学校に入学するのと同時にスイミングスクールに通い始めたのがよかったのだろう。

汗をかいても涼しい。

人類が考え出した中でも屈指のレベルで、実にすばらしいスポーツだと思う。

最初は水に顔を付けることすら恐れていたが、卒業するころには個人メドレーが泳げるほどだったように記憶している。

長らく個人メドレーなんて泳いでいないが、今でも出来るだろうか。

自分が唯一誇れる水泳とは、これからも仲良くしていきたいと思う。

 

閑話休題

なんだかんだで病院に掛かりがちだった自分は、やはりX線の部屋にもよく行っていた。

独特の物々しい雰囲気に怯みながらも、マッドサイエンティストじみたカッコ良さを感じていたのを覚えている。

 

今でも少し用があって定期的に撮りに行く。

困ったことに、幼いころの憧れはまだ鳴りを潜めていないらしい。

写真を撮った後、フィルムのようなものを取り出す作業を観察するのが、毎度毎度のささやかな楽しみである。